今回はシュレッダーと待機電力のお話。
先の震災の影響により、東京電力管内では今から夏の電力消費ピークに向けて、「節電!」の声がどんどん高まってきている。
特にISO取得等で「エコ」を掲げているオフィスでは、照明を最低限度にしたり、クールビズを前倒し&徹底してエアコンの設定温度を上げる等、普段以上に厳密な対策が採られつつあるようだ。
そんな中で気になるのが、OA機器の消費電力。
私は国内シュレッダーメーカーの修理の仕事をしているのだが、やはりこの時期、「シュレッダーの待機電力ももったいないのでは? 」「ずっとモーターを回すのではなく、こまめに停止ボタンを押したほうが良いのでは?」という声を小耳に挟むようになってきた。
確かに古いタイプのシュレッダーは、電源をONにしていると多少の待機電力がかかる。
しかし2000年以降に製造されたオフィス用のシュレッダーの多くは、グリーン購入法に対応すべく、待機電力0Wモードを搭載している。
あなたのオフィスのシュレッダーが、4~5分でパイロットランプが消える(スタートボタンで復電)タイプならば、待機電力0Wタイプである可能性は高い。もちろん100%そうだとは言い切れないので、念のためマニュアル等での確認は必要だが、0Wモード付きの機械ならば、電源は就業時間中常時ONでも問題なし、と言えるだろう。
それにしても、本来は環境対策で始まったグリーン購入法が、災害状況下に意外なカタチで役立っているところが面白い。省エネ機器は日本のお家芸。我が国のモノ作りもまだまだ捨てたモンじゃない。
あと、「こまめにストップボタンを押す」は、修理に携わる立場からは、あまりお勧めできない。
紙が外から見えなくなった後でも、カッター内部ではその後数秒間は裁断動作が続いている。完全に切りきれなかった紙片、あるいは、カッターとの摩擦で下に落ちきらなかった「巻き上がり屑」がカッター部を通過しきる前にストップをかけると、微量ではあるがカッター内部に裁断物が残留=詰まるかたちとなる。
これを何度も繰り返していると、詰まった屑で徐々にカッターの回転が重くなり、逆に無駄な電力を消費してしまうばかりか、最後には故障して動かなくなる可能性もある。
センサー搭載でオートスタート/オートストップする機械であれば、停止は、オートストップに任せておいた方が無難である。
手動停止の場合でも、紙が見えなくなってから4~5秒待ってから ストップボタンを押したほうが紙詰まりは起き辛いと言えるだろう。
以上、節電と機械を長持ちさせる為の、何らかの参考になれば幸いである。
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節電の参考に――電気製品の消費電力まとめ(オフィス編)
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